開催報告|鳥取県フットボールカンファレンス2020

 

 2020年1月25日(土)に米子市のふれあいの里で「鳥取県フットボールカンファレンス2020“鳥取から世界へ”」を開催しました。2年に1度開催するカンファレンスは、2017年11月以来2回目の開催となりました。
 今回は『鳥取から世界へ~育成年代の連携を図る~』をテーマにし、県内で活動する指導者、審判員、チーム関係者等を対象として開催し、当日は自治体関係者や他のスポーツ団体指導者も含め145名の方々にご参加いただきました。

(開催概要・告知ページはコチラ

 開会に先立ち、邨上克也鳥取県FA技術委員長から「世界の中の日本、そして世界の中の鳥取を見据え、共有し学んでいただきたい」と挨拶があり、また同じ日本海沿岸地域の石川県サッカー協会の近年の取り組みを例題にし種別同士がつながる大切さを伝え、鳥取県では『ALL Progression=全員で前進していく』を合言葉に育成年代の活性化を図っていきたいと説明がありました。

|午前の部


 

 『鳥取県FAの育成方針について』畑野伸和鳥取県FA技術委員会育成部長から、育成年代の指導における方向性の共有を示しながら説明を行いました。畑野伸和氏は、2033年に鳥取県での開催が決まった国民体育大会や、2022年の栃木国体から少年少女カテゴリーが開始することに言及し、県内の育成強化を図るためにも指導者が共有すべき指針や具体像を資料や映像を使って説明を行いました。

 そして、育成年代の連携向上をテーマに、畑野良幸鳥取県FA技術委員会3種技術委員長から中学生年代の取り組みを踏まえ、小学生年代や高校年代の指導者に対しての連携の協力を求めていました。会場からは、4種(小学生年代)ではどのような指導に注力したら良いか、具体的な連携事業は考えているのか等の活発な質問や意見がありました。

 

|午後の部


 

 技術的指導のみならず県全体でレベルアップを図っていくためにも審判との協調が大切であることから、今回も審判に関する研修も行いました。
今回は「ユース審判員の活用と将来像」について、江角直樹中国FA審判委員会RDO(Referee Development Officer)より、全国でのユース審判員の最新の取り組みや広島県内のユース審判員の育成法等を事例を紹介しながらユース審判員の拡大の大切さを学びました。また江角氏からは、鳥取県のストロングポイントを最大限に活かしてユース審判員の育成を活性化してほしいとのメッセージも頂戴しました。

 

 基調講演として、なでしこジャパンコーチの大部由美氏から「小中学生の女子選手の育成法」について講話がありました。大部氏は自身がサッカーを始めた頃の実話を元にし「自分が境港市でサッカーを始めた頃に周囲の大人は誰も私が日本代表選手になるだんて思ってもみなかったでしょう。だからこそ、どんな子どもにもチャンスはあると思っている。」と語りかけ、多くの指導者に対し情熱あふれる講話をされました。また、育成年代の女子選手の指導について指導者として知識を持って指導をすることや、小学生中学生年代の基本スキルの積み重ねが大事であることを述べていました。


 また基調講演として、U-17日本代表監督の森山佳郎氏から「世界と戦う日本人選手の現状と課題」をテーマに、昨年11月に開催されたFIFA U-17ワールドカップブラジル大会の活動や技術分析を踏まえ、日本チームの成果と課題、そして個々の選手育成について事例を紹介しながら講話されていました。森山氏の情熱あふれる講話に会場は心を惹き付けられ、多数の指導者が熱心にメモをとったり質問をしたりしました。



|参加者コメント


■ 指導者(4種/小学生年代)
「大部氏の講義からは、女子選手への育成法について再認識することができました。今後の育成への目標、練習を考えることができました。また、森山氏の講義からは、世界とは決定力に差があることがあらためてわかりました。守備への意識は強く我慢、強く頑張らせることが必要だと感じました。全体を通じて、子どものたちの技術を上げること基本として、サッカーの楽しさをもっと伝えれる練習、試合を目指して取り組んでいきたいと思います。

■ 指導者(4種/小学生年代)
「4種での活動の取り組みが今後のカテゴリーの基本となっていくので、しっかりと取り組むことを考える良い機会となりました。」

■ 指導者(1種/社会人・大学)
「初めて参加しましたが様々な分野におけるサッカーのことを考える非常に有意義な時間でした。今後の指導に生かしていくことが大切だと感じています。またこのようなカンファレンスがあればぜひ参加させていただきたいです。」

■ 一般参加者
「女子サッカーに対する熱意が伝わってくる素晴らしい内容でした。ありがとうございました。」

■ 指導者(4種/小学生年代)
「鳥取県サッカーの現在地をわかりやすい説明で理解することができました。将来(2033年)の鳥取国体での目標に向けて、今後土台づくりとして取り組んでいかねばならない課題は、種別を越えて皆が協力しあっていきたいと思います。」

 

|担当者コメント


  吉川尚男 鳥取県FA技術委員会 副技術委員長

 「今回、カンファレンスの開催に際し、非常に多くの方が参加してくださったことがとても嬉しいです。準備や告知の段階では、種別の方々に多々ご協力いただきました。本当にありがとうございました。
 カンファレンスでは、県サッカーのベクトルが共有できたこと、皆で学ぶことができ、とても良いカンファレンスになりました。鳥取県内の方向性だけではなく、個々の選手の育成を視点に立つと、日本代表チームと世界の差、女子サッカーの現状、ユース審判員の取り組みを通じ、あくまでも育成は通過点であり、知見を広げ指導者自身が質を上げていくことが大切だと改めて感じました。
 また、アンケートからは前向きな意見を多数いただきました。次回のカンファレンスが今回よりも良い会となるように、私自身も学んでいきたいと思います。皆さんで日常を変えていきましょう。」


|担当者コメント


邨上克也 鳥取県FA技術委員会委員長

 「多くの方にご来場いただきありがとうございました。カンファレンスは、トレセンや選抜活動に関わっている指導者のためだけではなく、県内の多くの指導者のみなさんが学べる機会、そして県サッカーの方向性を共有して推進していくことを目的に開催しました。森山佳郎氏も講義の中でも仰っておられましたが、選手たちは日常の活動が基本となっていることから、『日常を変えていくことが大事』であると我々も考えてます。今回ご来場いただいた皆様も、現状維持に留まらず日常を少しでも変えていってほしいと思います。
 また今回は、ユース審判員の取り組み、女子選手の育成法と、参加者の認知を広げることも狙いとして開催しました。皆さんとの学びが、サッカーファミリー拡大につながることを期待しています。
 『ALL Progression』全員で前進することを合言葉に、県のサッカー発展のために取り組んでいきたいと思います。引き続き、ご協力をよろしくお願いします。」

■参加者 145名
・指導者
・審判員
・チーム関係者
・保護者
・サッカー少年
・自治体関係者
・他スポーツ指導者
・一般参加者

■開催概要・告知ページはコチラ